【 Constantine 】

2014年

アロー、フラッシュ、ゴッサムと
アメコミ実写化作品が人気の米ドラマ界だが
今度はNBCから登場。
オカルトの探偵業を営むエクソシストが主人公であり
キアヌ・リーブスで映画化もされている作品。
主人公の設定だけ見ると
一番日本で受けそうな印象だし
アメコミ・映画の人気もあり、期待をしていた人も多かった。
FOXのゴッサムにぶつけてきたと思うけれど
気合の入り具合は圧倒的にゴッサムの方が上。
嫌みのない忠実性と新鮮さは制作陣の自由度が高いように感じるし
視聴者を次回に引っ張る力もゴッサムの方が強い。
コミカルなシーンとシリアスなシーンの境目に違和感があり
構成が粗く見えてしまう。
脚本はデイビッド・S・ゴイヤーなので
勢いで粗さをカバーしてしまうような、
もう少し思い切った弾け方を期待していたけれど
なかなかうまく乗り切れていないように感じる。

【 Crisis 】

2014年

米国の大統領とその幹部の子供たちが誘拐され
国家の危機に陥るドラマ。
ドラマの主演級を集めたものの
ネタも使い古され過ぎて新鮮味がなく
構成も張りぼてのように感じた。
1シーズンで終了も納得。

【 Crossbones 】

2014年

ジョン・マルコヴィッチ主演の海賊ドラマ。
あまりにも面白そうな企画だったが
ふたを開けてみると
小中学生でも観ないような出来栄えで
美術関係もややチープであり
全てマルコヴィッチ頼みの印象。
子供が見れない海賊ものじゃないと
ジャック・スパロウとは競えないと思う。

【 Enlisted 】

2014年

米国陸軍内の基地を舞台にしたコメディ。
主演は主演級になると作品の善し悪しに関わらず
短命シリーズとなるジェフ・スタルツ。
おバカでやりたい放題のドタバタ劇であり
上手くできてはいるけれど
中身がなさ過ぎるという印象。
もう少し何かあれば~という惜しさがある。
また数年後に
「短命過ぎた名作コメディランキング」
などに顔を出すかもしれない。

【 Forever 】

2014年

どんな死に方をしても必ず生き返ってしまう
異常体質の医師が主人公。
SF、事件解決、ロマンス、歴史、コメディなどなど
全てを軽めにしてきれいに配置した良作。
ターゲットは30代以上でのんびりドラマを見たい人。
さらにTaxiやナンバーズのお父さん役の
ジャド・ハーシュが主人公の保護者代わりで出演。
作品の評価も堅調。
見て損した気分にはならないはず。
長いシリーズになるかもしれない。

【 Gotham 】

2014年

2014年秋シーズンの最大注目作。
現在の一つの流れである
『原作漫画に忠実』系の作品であるため
古き良きヒーローや善悪のはっきりした作りとなっている。
主演はドラマ俳優として安定した活躍と
作品選びをするベン・マッケンジー。
真面目で腕っぷしも強くて正義感が強いという
彼の共通した役柄にピッタリハマっている。
その他主演級の配役も実に上手い。
無理に映画俳優で押さずに
役にピッタリハマる上に
スケジュールが取れて長期化もできる俳優を選び出した、
『配役のFOX』の底力が見える。
美術関係も素晴らしく
広告やCMの多さからも予算が多いことが見て取れる。
個人的な予想としては4シーズンだが
その予算と視聴率でどこまで続くのか注目したい。

【 Growing Up Fisher 】

2014年

J.K.シモンズ主演のコメディ。
物語の中心となるのは
全盲の父を持つ家族フィッシャー家。
母役はダーマでお馴染みのジェマ・エルフマン。
企画自体は全く悪くないし
日本だったら大ヒットしたかもしれない。
毒気がないさわやかさは良いとしても
次回に引っ張る力がまるでない。
同時期の類似ドラマに完全に食われてしまった
主演級のベテラン役者父母役2人には
手持無沙汰に見えたし
この程度のヒットなら
他の作品のオファーを受けた方が良いと思う。
日本には上陸するかもしれない。

【 How to Get Away with Murder 】

2014年

『殺人罪を逃れるには』が訳。
ロースクールを舞台にしたリーガルサスペンス。
現在、主演たちが起こしている殺人と
その起点となる3か月前からのフラッシュバックが相互に進行する。
内容は特に新鮮さはない。
ある程度展開は読めるけれど
悪い気はしない程度に上手くまとめている。
同じリーガルサスペンスのダメージと似た構成だが
ロースクールの学生たちがレギュラーだし
グレアナのジョンダ・ライムスがプロデューサーなので
ネットワークらしく軽めで大味。
主演級にヴィオラ・デイヴィスがいるのはポイントの1つ。
'15のゴールデングローブのノミネイトも
誰もが予想したくらい素晴らしい演技で
物語に深みと暗さを持たせている。
日本でも人気が出るドラマになるのは間違いない。

【 Outlander アウトランダー 】

2014年

舞台はイギリス。
第二次大戦直後のスコットランド旅行から
中性の現地へタイムスリップしてしまった女性が主人公。
原作はロマンス小説の名作だが
『ロマンス小説が原作』ということを知らないと
楽しめない人が多いと確信している。
劇中は女性主人公の語りが多い。
本人が批判されるのは『女性だから』という理由が多く
本人は至って美しく能力も高いというのは
90年代の米ドラマを見てきた40代前後の女性にも受けがいい。
さらにこの辺は男性の隠れファンも多い。
最後に主人公が勝つという法則はつまらないこともあるけれど
安心して見れる要素ともなれる。
グレアナ、スキャンダルが好きな人には是非見てほしい。
日本ではHuluJapanが先行放送したが
内容の説明が上手く伝わっておらず
作品株を下げたように感じた。
作品のチョイス自体は面白いと思うので
これからもHuluの健闘を期待したい。

【 The Flash フラッシュ 】

2014年

今季スタートのドラマの中でも注目度が高かったフラッシュ。
同局で放送中の人気アメコミドラマArrowのスピンオフであり
主演もGlee出演から人気が爆発しているグラント・ガスティン。
初回の視聴率の高さは約束されていた。
ドラマの主演の若手にしては
あまりにも人気があり過ぎる印象があるので
いつまで続くかは不明だが
人気自体はある程度続く予感がする。
同局のドラマは、他局と比べて低めという特徴を持っているものの
アメコミファンでなくとも話について行きやすく
主人公も警察の鑑識という
現在の米ドラマ界ではではポピュラーな設定になっているし
家族とか父とか養父とか出てきて感動を誘う場面もやや多い。
さらに10代の親世代に人気の
ジェシー・L・マーティンをレギュラーで出演させおり
子供と一緒に親も見いってしまう嗜好になっているという
なんとも憎らしい出来栄え。

【 The Mysteries of Laura 】

2014年

デボラ・メッシング主演のコメディ。
始まる前から不安視していたが
残念なことにその不安が的中。
たぶん、結構な数の人がそう思っていた気がする。
今年当たりが少ないNBCの中でも一際目立つ悪い作品。
刑事でシングルマザーでガサツさが目立つ女性が主人公で
軽いタッチの解決もの。

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